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木製の人形

木製の人形

女の子は身長130㎜、男の子は127㎜で腕が動かせる構造。ひとつひとつ職人の手でつくられたもの。(撮影:織田 憲嗣)

小さな人形「puunukke」(プーンヌッケ、のように発音します)は1943年にデザインされ、ストックマン百貨店が製造・販売しました。フィンランド人のシャイで純朴な国民性が表れているでしょう。デザイナーのカイ・フランクは、この人形をつくるために実にたくさんのスケッチを描いています。これは希少な初号モデルで、30年以上も前からお付き合いのある京都のヴィンテージショップで購入しました。そのお店はしばしばレアなものが見つかるので、近くへ行くときは必ず立ち寄ります。ただ、本当に貴重なものはふだん表に出ていません。店主が奥から出してきてくれるのですが、今回は偶然カーテンの向こうを覗き見てしまって(笑)、ひと目でそれとわかりました。まさかこの人形が手に入るとは思いませんでした。

日本にもこけしや木目込み、一刀彫りなどの人形があります。東神楽の家にも一対の博多人形があったのですが、札幌のマンションには持ち込めず、ほしいと申し出てくれた私の主治医にお譲りしました。今の世の中はもっぱらフィギュアやゆるキャラが全盛で悲しくなります。日本は本来、ものづくりにおいて世界トップレベルの国です。以前デンマークデザインミュージアムで「Learning from Japan」(日本に学べ)という展覧会が3年間に渡り開催されたことからもわかるように、日本のものづくりはヨーロッパ全体に大きな影響を及ぼしてきました。ファッション業界でも世界に知られるブランドが数多くありますよね。ごまかしのないていねいで誠実なものづくりは、日本が誇れる文化です。しかしそれは、人々に使われなければ簡単に消えていきます。フィンランドでも、企業買収がふえて人件費の安い国外製造に偏った時期があり、「1日1個、国産品を使いましょう」というスローガンが生まれました。日本にはそういう意識も運動もありませんが、気づいた人だけでも行動してほしいと思います。ファストファッションを使い捨てるのではなく、少し無理をしてでも上質なものを買って長く愛用し、日本のすぐれた企業を応援していきたいものです。私も最近、日本発の国際ブランド「オニツカタイガー」の赤いレザーのスニーカーを買いました。これで今年も元気に札幌のまちを歩きます。

(2026/04/28・談)

「女の子はトイレのサインに似たシルエット(笑)。後ろに束ねた髪がかわいいんです」。

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